頭皮に湿疹や炎症があると、痒みや痛みを伴います。発症している人にとっては度々襲ってくるそれらの症状と日々対峙しなければなりません。そんな生活は非常にストレスが溜まるものです。
また、普段は髪の毛で隠れているため、湿疹や炎症があることを見た目で確認するのは難しいです。そのため、抜本的な改善を怠ってしまう方も多いです。
そんな厄介な頭皮湿疹や炎症ですが、お湯シャンに変えることでどんな変化が期待できるのでしょうか? お湯シャンとは、シャンプーを使わずにお湯だけで頭を洗うことです。
私は約一年間お湯シャンを実践したことで、湿疹や炎症の減少、痒みの低減を実感しました。そこでこのページでは、私の実体験を紹介しながら、お湯シャンが頭皮湿疹や炎症に与える効果について書いていきます。
頭皮が本来の力を発揮し、頭皮環境のバランスが取れる
お湯シャンは髪や頭皮に良いとされています。その理由は、シャンプーによる悪影響を受けないからです。
シャンプーには界面活性剤という成分が含まれています。界面活性剤とは石鹸や洗剤などに含まれる「汚れを除去する成分」のことです。界面活性剤は汚れを除去する働きがある一方、頭皮に悪影響を及ぼす場合があります。それは、「皮脂を過剰に除去してしまう」ということです。
界面活性剤によって皮脂が過剰に除去されると、頭皮は皮脂が少なくなったことを感知し、皮脂を分泌します。このサイクルが毎日のように繰り返されることで、しだいに皮脂の分泌が活発になり、必要以上の皮脂が分泌されるようになります。
また、シャンプーには防腐剤も含まれています。
本来この成分は、シャンプーにカビが発生するのを防ぐために入っています。しかし、それと同時に頭皮に良い働きをする常在菌も殺してしまいます。そのため、頭皮環境のバランスが崩れ、頭皮の湿疹・炎症につながるのです。
これら2つの要因が影響して起きる炎症が脂漏性皮膚炎です。脂漏性皮膚炎とは、皮脂の過剰分泌やマラセチア菌の異常発生が原因とされている皮膚炎です。
マラセチア菌は皮脂を好む常在菌です。そのため、皮脂の過剰分泌が続くと異常発生してしまいます。また、マラセチア菌は皮脂を分解する際に炎症を引き起こします。その結果、皮脂の過剰分泌はマラセチア菌を増やし、湿疹・炎症を悪化、増大させます。
さらに、防腐剤によって常在菌のバランスが崩れた頭皮は、界面活性剤による皮脂の過剰分泌と相まってマラセチア菌が増えやすい環境を作ってしまいます。
このように、シャンプーに含まれる界面活性剤と防腐剤は湿疹・炎症を引き起こし、悪化させる原因になります。
しかし、お湯シャンはシャンプーから受けるこれらの悪影響を避けることができます。そのため、皮脂の分泌が適正な量になり、常在菌のバランスが整うことで頭皮湿疹・炎症の減少につながるのです。
私の実体験:お湯シャンで湿疹・炎症が減少し、痒みも減る
私はお湯シャンを約一年間実践してみたことがあります。そして、実際に上記のような効果を実感しました。つまり、頭皮の湿疹や炎症が減少したのです。
シャンプーを使っていたころは頭皮の湿疹・炎症が常に6~7個存在し、重症化して血が出ることも日常茶飯事でした。
それがお湯シャンに変えたことで2~3個に減少したのです。
たいした数の変化ではないと思われるかもしれませんが、当人にとっては大きな変化です。以前は湿疹・炎症が頭全体にまんべんなく分布していました。ところが、お湯シャンに変えたことで湿疹・炎症は頭の一部分だけにとどまったのです。
また、湿疹・炎症の一つ一つのサイズも小さくなり、重症化することも少なくなりました。
さらに、長年悩まされていた痒みにも変化がおきました。
シャンプーを使っていたころはズキズキとした強い痒みのため、頭を掻かずにはいられませんでした。しかし、お湯シャンを続けるにしたがって痒みはマイルドなものに変化しました。また、痒みが発生しても以前ほどの強い痒みに襲われることがなくなりました。
そのため、頭に意識を取られることも少なくなり、痒みによる日々のストレスも減少しました。
そのおかげで、以前より集中できる時間が長くなったと感じています。シャンプーを使っていたころであれば、頭を働かせる文章作成や計算などの作業をしていると、よく痒みがおきていました。
頭が痒くなると、そちらが気になるため当然頭を掻きはじめます。すると、今度は痒みに意識が向くため、本来向けるべき作業に集中できませんでした。
痒みそのもののストレスは、作業がはかどらないという別のストレスに発展していたのです。
しかし、お湯シャンに変更することで痒みの発生頻度が減ったり、痒みが弱くなったりしました。そのおかげで、痒くなっても少し掻けばおさまる程度に変化しました。そのため、頭の痒みに意識を持っていかれることもなくなり、集中できる時間が長くなったのです。
湿疹・炎症が減ることによる痒みの減少は、単純に日々のストレスが減るだけでなく、嬉しい副産物をもたらしました。
お湯シャンで頭皮環境のリセットを
お湯シャンを継続したことで私の頭皮湿疹・炎症は改善しました。シャンプーが与える悪影響がそれだけ強かったということです。
シャンプーを使っていて頭皮湿疹・炎症が日常化している方は、一度お湯シャンに変えてみてはどうでしょうか?湿疹・炎症がシャンプーの成分によるものであれば、症状が軽くなる可能性があります。
ただし、人によっては逆に症状が悪化する場合もあるので注意が必要です。湿疹・炎症が増えたり重症化する時はただちに中止し、医療機関で診察を受けて下さい。実践する方は自分の頭皮の状態を確認しながら進めていきましょう。